こんにちは、福岡住研究所の川内です。今回は土地や中古住宅を購入する際に気を付けていただきたいことをお話いたします。
購入前にチェックしておきたいこと①
戸建ての場合、快適に過ごすには隣地との良好な関係も重要です。
敷地との境界や境界付近の塀や擁壁の維持管理や修繕など、費用負担などをめぐってのトラブルが生じる可能性もあります。
また越境している物件を購入してしまった場合、すぐに対応しろと言われても越境している物にもよりますが、何でもすぐに対応できる物ばかりではないので、出来ればそういった物件は避けた方が良い、もしくは事前にどう対処すれば良いのかを確認しておく必要があります。
ちなみに、竹木の枝が越境して落葉などによって何らかの被害が生じている、またはそのおそれがあるときには、竹木の所有者に対して、切除の申入れが出来ることが民法では定められております。しかしこれはあくまでも申し入れをするだけで、勝手に切り落とすことは出来ません。ですので、すぐに相手方が対応してもらえなかった場合は、裁判で争うなんて事になってしまいます。また、民法では、隣地の竹木の「根」が境界線を越えてきたとき、越境部分を相手の承諾なしに切除することが出来るとされております。ですが、勝手に根を切り落として竹木を枯らしてしまった場合は、損害賠償の対象となってしまう場合もあるのでお気を付けください。隣地から越境している柿の実が落ちてきた場合、その柿は食べてもいいのか?という疑問もあるかと思います。これは「食べてはいけない」という事になります。なぜなら、木から落ちていたとしても実の所有者は木の所有者にあるので、そういった場合は木の所有者に報告をし、回収して良いかの確認が必要となります。所有者の許可があればその後は食べても問題はありません。その他でも民法では、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない、建物は境界線から50cm以上へだてて建てなければならない、などの規定があります。
購入前にチェックしておきたいこと②
近隣とのトラブル要因になりがちなものが道路に関することです。公道で幅員4m以上の道路に土地が2m以上接面していないと建物を建築することは出来ません。特に気を付けていただきたい道路が私道や共有道路などの特殊な道路です。例えば他人の所有する私道にのみ土地が接面している場合私道の所有者の文書による許可がなければ建物を建築することが出来ません。同じく、私道を複数人で所有している場合は所有者全員の許可が必要になります。土地や中古住宅を解体後新たに建物を建築しようと考えている場合は特に気をつけてください、前所有者が問題ないと言っても鵜呑みにしてはいけません、文書で所有者全員の許可を取らない限り契約してはいけません。契約後に所有者のうちだれか一人が拒否すれば建物が建てられなくなります。
購入後にトラブルが発生しても、すぐに対応して良好な関係になれるのであれば問題はないですが、購入した物件に住めないもしくは住みづらい状況となってしまってはせっかく購入した物件が勿体ないことになってしまいます。契約前に出来るだけ問題となる部分を取り除くことによってその後の取引がスムーズに進んでいくこととなるでしょう。