こんにちは。福岡住研究所(FUSUMALAB)の川内です。
「一生に一度の大きな買い物、納得のいく選択をしたい」 そう思って、多くの方はまず「ハザードマップ」を確認されるはずです。自治体が出している公式なデータであり、非常に重要な判断材料の一つです。
しかし、現場で25年以上、不動産業に携わってきた私は、ある課題を感じています。それは、「ハザードマップで浸水予測がない区域だから大丈夫」と判断して購入したものの、想定外のリスクに直面するケースがあるという現実です。
ハザードマップは、あくまで「過去の浸水実績」や「特定の条件下での予測範囲」を示すものです。土地が本来持っている性質やリスクを見極めるには、もう少し多角的な視点が必要になることがあります。
なぜ47歳で、大学で「地理学」を学び始めたのか
私は福岡で四半世紀、不動産の仲介をしてきました。多くのお客様の大切な決断に立ち会う中で、常にこう考えていました。「私は、お客様が安全性を判断するための材料を、十分に提供できているだろうか?」
その答えを深く追求するため、私は47歳で法政大学の通信教育部に入学しました。以来、6年間にわたり地理学を学び続けています。測量学やGIS(地理情報システム)の実習を通して専門的な知見を深める中で、あらためて気づかされたことがあります。
それは、「地名」「地形」「歴史」という多層的な情報を読み解くことで、その土地のリスクをより客観的に見極めるヒントが得られるということです。
土地の「本来の性質」を知るための3つのヒント
私が物件を分析する際、参考情報として重視している3つのポイントをご紹介します。
1. 「地名」に残された地域の記憶
地名は、その土地の「かつての姿」を今に伝える貴重な情報源です。福岡にも、名前に「水」「谷」「沼」「池」などの漢字が含まれる場所が点在しています。これらは、過去に湿地帯であったり、水が集まりやすい地形であったりした可能性を示唆しています。
現在は街並みが整備され、名称が変わっていたとしても、古い地名を辿ることで、その土地が元々どのような環境にあったのかを推察する材料になります。
2. 「地形」から水の流れを推察する
ハザードマップ上では浸水予測範囲外であっても、詳細な地形図で等高線を追っていくと、周囲よりわずかに低い「谷底」のような形状をしていたり、雨水が集まりやすい「低地」であったりすることがあります。
自然界の水は、地形に従って高いところから低いところへ流れます。周囲との高低差を立体的に把握することは、大雨の際の水の挙動を予測するための重要な判断材料となります。
3. 「歴史」が教えてくれる地盤の成り立ち
分析のプロセスでは、昭和初期やそれ以前の「古地図」と現在の地図を重ね合わせて比較します。すると、現在は住宅地であっても、かつては「田んぼ」や「池」だったことが確認できる場合があります。
一般的に、こうした履歴を持つ土地は、水分を多く含む土が堆積していることが多いため、地盤の強度が気になるケースもあります。地盤の状態については、専門業者による地盤調査をお勧めしていますが、その「前段階の目安」として歴史を知ることは非常に有効です。
後悔しない選択のための「判断材料」を
今の不動産流通において、単に物件を見つけて紹介するだけの役割は変わりつつあります。これからの時代に求められるのは、**「お客様が自ら選ぼうとしている物件について、客観的な分析データを提供し、納得感を深めていただくこと」**だと考えています。
当研究所では、代表である私が地理学の知見を活かし、以下の資料を基に総合的な分析を行っています。
- 各種ハザードマップの確認
- 精密な地形図による高低差分析
- 古地図・航空写真を用いた土地の履歴調査
- 地名の由来や周辺環境の確認
これらを10〜15ページの**「詳細レポート」**としてまとめ、お客様がリスクを正しく理解し、判断するための情報提供を行っています。
まとめ:多角的な視点が「安心」を形作る
ハザードマップを確認することは非常に大切ですが、それだけで全てを判断するのは十分とは言えません。
「地名」「地形」「歴史」を知ることは、その土地の個性を深く理解することに繋がります。より確かな情報を揃え、納得のいく住まい選びをしていただくために、科学的な視点からの情報収集を検討してみてはいかがでしょうか。
福岡住研究所(FUSUMALAB)は、不動産実務と地理学の視点から、あなたの「最善の選択」をサポートするための情報を提供いたします。
土地診断サービスのご案内 物件検討時の判断材料として、詳細な調査レポートを作成いたします。福岡住研究所 公式サイトはこちら

