【令和8年熊本地震②】同じ震度でも「壊れる家」と「壊れない家」の差はどこにあるのか

画像はイメージです
川内です!🏠

第2回のテーマは「地盤と建物被害の関係」です。震度7の揺れが来たとき、隣の家は倒れたのに自分の家は無事だった——そんなことが実際に起きます。その差を生むのが「地盤」と「建物の基礎・構造」です。

令和8年熊本地震から約2週間半が経ちました。今回の地震データも交えながら、これから家を買う・建てる方に本当に必要な知識をお伝えします。

📊 地盤の違いで倒壊率が最大24倍に!

まず衝撃的なデータをご覧ください。同じ震度の地震が来ても、建っている場所の地盤によって倒壊率が大きく変わります

沖積平野(厚い地盤)
約60%
約60%
沖積平野(薄い地盤)
約35%
約35%
台地・扇状地
7%
約7%
丘陵地
2.5%
約2.5%

※出典:自然災害情報室・地震調査研究推進本部の統計データをもとに作成

POINT
沖積平野(川や海の近く)と丘陵地では倒壊率に約24倍の差があります。台地・扇状地と比べても約8倍。土地選びがいかに重要か、数字が物語っています。

🌊 なぜ沖積平野は危ないのか

「沖積平野」とは、川が長い年月をかけて運んだ砂や泥が堆積してできた平らな土地のこと。海岸部・河口部・川の氾濫原などがこれにあたります。

危険な理由①:揺れが増幅される

地震波は固い岩盤から柔らかい地盤に入ると、スピードが落ちて振幅が大きくなります。沖積層が厚いほどこの増幅効果が強くなり、地表では震源から届いた揺れの数倍になることがあります。

危険な理由②:液状化が起きやすい

地下水位が高い砂地盤では、強い揺れで砂の粒子がバラバラになり、地盤全体が液体のようになる「液状化」が発生します。マンホールが浮き上がり、建物が傾き、道路が使えなくなります。

危険な理由③:不同沈下が起きやすい

地盤の強さが場所によって違うと、建物の一部だけが沈む「不同沈下」が起きます。建物が斜めに傾き、ドアが開かなくなったりひび割れが生じたりします。

⚠️ 令和8年熊本地震での実証
今回の地震で甚大な被害が出た宇城市・八代市・嘉島町は、いずれも熊本平野(沖積平野)に位置します。2016年の熊本地震でも益城町中心部の被害が旧河道・埋め立て地・軟弱地盤に集中したことが国土交通省の調査で確認されており、今回も同様のパターンが繰り返された可能性があります。

🏢 マンション vs 戸建て、リスクの「種類」が違う

「マンションは頑丈」「木造は弱い」——そう思っている方は多いですが、実際はそれほど単純ではありません。リスクの「形」が違うのです。

⚠️ 木造戸建てのリスク
  • 耐震性能が低いと倒壊の危険
  • 旧耐震基準は特に危険
  • 液状化で傾く可能性
  • 隣家との衝突リスク
✅ 木造戸建ての強み
  • 耐震等級3なら極めて安全
  • 倒壊しなければ補修可能
  • ベタ基礎で不同沈下に強い
⚠️ マンションのリスク
  • 杭基礎が損傷すると建物が傾く
  • 傾いたら「住めない」状態に
  • 修繕・建て替えに合意形成が必要
  • 長周期地震動の影響を受けやすい
✅ マンションの強み
  • 建物本体の倒壊例は極めて少ない
  • RC造は揺れに対して粘り強い
  • 新耐震以降の物件は基本的に安全

基礎の種類で何が変わるの?

基礎の種類主な対象地震時のリスク
ベタ基礎木造戸建(新築)液状化・不同沈下に比較的強い
布基礎木造戸建(旧式)点で支えるため不同沈下に弱い
杭基礎(軟弱地盤)中高層マンション杭が損傷すると建物全体が傾く。2016年熊本でも被害例あり
杭基礎(強固な地盤)中高層マンション支持層まで届いていれば比較的安全

※出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書、建築研究所

まとめ
マンションは「潰れにくいが傾くリスク」、戸建ては「耐震等級が低いと倒壊するリスク」。どちらも「地盤に合った基礎・設計になっているか」が最も重要です。

🛑 建築年代で倒壊率は13倍も違う

2016年熊本地震の益城町における木造住宅の悉皆調査(全数調査)では、建築基準が異なる3世代で倒壊率に大きな差が出ました。

建築時期棟数倒壊率
昭和56年5月以前(旧耐震)759棟28.2%
昭和56年6月〜平成12年5月(新耐震)877棟8.7%
平成12年6月以降(現行規定)319棟2.2%

※出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書

さらに注目!耐震等級3の圧倒的な強さ

耐震等級壁量大破率倒壊率
等級1(建築基準法レベル)基準の1.0倍4.0%2.3%
等級3基準の1.5倍0%0%

※出典:国土交通省報告書(平成12年6月以降の建物を対象とした調査)

耐震等級3の建物はゼロ被害でした。「壁の量(耐力壁)」と「接合部の金物」がきちんと確保されていれば、震度7の激震を受けても倒壊しないことが実証されています。

これから家を建てるなら、迷わず耐震等級3を選んでください。(※予算・建物条件により異なりますので、専門家にご相談ください)

新耐震なのに倒壊した理由

倒壊した新耐震建物83棟を分析すると、最多の原因は「接合部の金物不足(73棟)」でした。壁の量だけでなく、接合部の施工品質が倒壊を大きく左右するのです。中古物件を購入する際は、この点も確認することをおすすめします。

📖 次回予告(最終回)
第3回:宗像・福津・古賀エリアへの影響
西山断層との距離は?地元エリアの地盤特性は?FUSUMALABが地元目線で徹底解説します!

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【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・土地・建物に関する法的・専門的アドバイスを保証するものではありません。掲載データは記事執筆時点(2026年8月14日)の情報に基づいており、今後の状況変化によって内容が変わる場合があります。個別のご相談については、専門家または福岡住研究所(FUSUMALAB)までお問い合わせください。

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