住宅ローンを組むとき、多くの方が資金計画や金利の選択には全力を注ぎますが、火災保険の選び方は「不動産会社に勧められたプランのまま」で済ませてしまいがちです。しかし契約期間が短縮され保険料が上がっている今、なんとなく選んでしまうと生涯で支払う住居費に大きな差がついてしまいます。
2022年・2024年改正のポイント
最長契約期間が10年から「5年」に短縮
2022年10月以降、火災保険の新規契約や更新時の最長期間は5年になりました。かつては35年という超長期契約ができ、その後10年に短縮され、現在はさらに5年が限界となっています。
2度にわたる保険料値上げ
期間の短縮だけでなく保険料そのものも2022年・2024年と2度にわたって引き上げられました。更新のたびに負担が増えたと感じる方も多いはずです。
なぜ厳しくなっているのか
・自然災害(台風・豪雨など)の激甚化・頻発化→保険会社が支払う保険金の額が急増
・建築コスト(資材費・人件費)の上昇→建て直しにかかる費用が増加
「長期契約でお得」だった時代は終わりました。5年ごとに必ず見直しと更新が必要になります。
火災保険の基本補償を解説
「火災保険」という名前ですが、実は火事だけでなく家をめぐるさまざまな災害やトラブルをカバーする総合保険です。
| 補償項目 | 具体的な内容 | 必要性の目安 |
|---|---|---|
| 火災・落雷・破裂・爆発 | 火事・カミナリによる家電の故障・ガスの爆発など | 基本補償(必須) |
| 風災・雹災・雪災 | 台風で瓦が飛んだ・雹で窓が割れたなど | ほぼ必須 |
| 水災 | 台風や豪雨による床上浸水・土砂崩れなど | ハザードマップ等で判断 |
| 盗難・水濡れ・破損など | 空き巣被害・給排水管の詰まりによる水浸しなど | ライフスタイルに合わせて選択 |
重要:地震保険はセットで別途加入が必要!
火災保険だけでは地震が原因の火災や津波による被害は一切補償されません。地震による被害を守るには必ず火災保険とセットで「地震保険」を契約する必要があります。
水災補償はつけるべきか?ハザードマップとの関係

火災保険のプランを決めるとき、最も保険料を左右するのが「水災補償をセットにするかどうか」です。
一般的には「ハザードマップを確認してください」で終わりになりがちですが、実はハザードマップだけでは見えないリスクが存在します。例えば旧河道・盛土・地名に残る水害の記憶など、地形を読み解く専門的な視点がないと判断が難しいケースも多いのです。
FUSUMALAB.では宅建士・立地防災アドバイザー・FPの複合的な視点から、ハザードマップでは見えない土地のリスクまで含めた「土地診断」を提供しています。火災保険の水災補償を外すかどうかの判断も、この土地診断の結果をもとにアドバイスすることができます。
宗像・福津・古賀エリアで注意すべきリスク
私たちの暮らす宗像市・福津市・古賀市は海と山そして美しい川に恵まれた住みやすい街です。しかしその分だけ大雨の際には注意が必要なエリアも存在します。
特に意識しておきたいのが地域の主要河川の周辺です。
・宗像市:釣川(つりがわ)流域
・福津市:西郷川(さいごうがわ)流域
・古賀市:大根川(だいこんがわ)流域など
釣川・西郷川の浸水リスクについては防災連載で詳しく解説しています。
https://fusumalab.com/munakata-tsuri-gawa-flood-2025-vol1/
https://fusumalab.com/fukutsu-saigo-gawa-vol1/
水災補償の判断基準
ハザードマップで着色がある場所→水災補償は「必須」
「これまで大丈夫だったから」は通用しない時代になっています。川から少し離れていても内水氾濫のリスクがある場所なら外すべきではありません。
ハザードマップで完全に白い場所→水災補償を「外す」選択肢が生まれますが注意が必要です
ハザードマップで色がついていない場所でも「絶対に安全」とは言い切れません。旧河道・盛土・周囲より低い地形など、地形的なリスクがハザードマップに反映されていないケースがあるからです。
「ハザードマップで白いから大丈夫」と判断する前に、その土地の地形的な成り立ちを確認することが重要です。土地診断でリスクを正しく把握した上で水災補償を外す判断をすることで、適正な保険料に抑えつつ万が一の備えも確保できます。
保険料を適正化する見直しポイント

① リスクのない補償を「外す」
ハザードマップで色がついていない場所でも、旧河道・盛土・周囲より低い地形など地形的なリスクが潜んでいることがあります。「ハザードマップで白いから水災を外そう」と即断するのではなく、土地診断でリスクを正しく把握した上で判断することが重要です。その結果として本当にリスクが低いと確認できた立地であれば、水災補償を外すことが最も効果的な節約になります。
② 「免責金額(自己負担額)」を設定する
免責金額とは万が一被害に遭ったときに「この金額までは自分で出します」という自己負担の枠のことです。免責金額を5万円・10万円に設定すると保険料を安く抑えることができます。
小さな修理は貯蓄でカバーすると割り切り「本当に家が壊れて生活が立ち行かなくなるとき」のために保険を使うという考え方に変えるだけで固定費はグッと下がります。
③ 「建物評価額」が適切か見直す
建物評価額とは家をもう一度建て直すために必要な金額(再調達価額)のことです。購入時から年月が経っているのに当時のままの過大な評価額で契約を続けていると無駄な保険料を払っている可能性があります。5年ごとの更新タイミングで見直しましょう。
注意:補償を削りすぎると万が一のときに困る
大雨のリスクがあるのに水災を外したり台風の通り道なのに風災の免責を高くしすぎたりすると住宅ローンだけが残るという最悪のケースになりかねません。
住宅購入時の火災保険の選び方
理想的な検討タイミングは「売買契約が終わり引き渡しの1ヶ月〜3週間前」です。
チェックリスト
・見積もりは複数社から取る(相見積もり)
・ハウスメーカーの「提携保険」が本当に得か確認する
・火災保険の予算をあらかじめ資金計画に組み込んでおく
FUSUMALAB.のライフプラン相談
火災保険は単なるコストではなく、家族の人生を守るためのライフプランの一部です。FUSUMALAB.では以下のトータルな視点でサポートしています。
・土地診断による購入予定地の正確な災害リスク分析
・ご家族の将来を見据えたキャッシュフロー表の作成
・無理のない住宅ローン借入額と火災保険の適正化提案
詳しくはこちら:https://fusumalab.com/lifeplan-service/
まとめ
2024年の改正を経て火災保険は「一度入ったら終わり」の保険ではなくなりました。5年ごとの節目を「家族のライフステージや地域の最新リスクに合わせて中身を最適化するチャンス」として活用しましょう。
【免責事項】
本記事に記載されている火災保険の制度・改定内容・参考純率に関する情報は一般的な仕組みを解説したものです。実際の保険料や補償内容は保険会社やご契約の時期・建物の構造・所在地等によって異なります。ご契約の際は必ず各保険会社の商品パンフレットや重要事項説明書をご確認ください。ハザードマップの危険度情報は将来の災害を完全に予測するものではありません。
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