都心の新築は1億6千万円超でも、中古は26か月ぶりの反落も。2026年後半のマンション市況を読み解く

画像はイメージです

川内です。今日はマンション市況の話です。

いま、新築と中古で逆方向に数字が動いています。新築の平均価格は過去最高を更新して1億6千万円を超え、一方で中古は26か月ぶりに下落へ転じました。

「東京の話」と思うかもしれません。ただ、この動きは売る側・買う側それぞれの「決め方」に、地方でもそのまま効いてくる話です。後半で宗像・福津・古賀圏での読み替え方を書きます。

この記事でわかることは3つです。

  1. 新築と中古で、それぞれ何が起きているのか(一次データ)
  2. なぜ逆方向に動くのか(仕組み)
  3. 買う側・売る側が、いま決めておくべきこと

目次

【1】新築 — 平均価格は1億6千万円を超え、過去最高を更新

不動産経済研究所の集計によると、2026年7月の首都圏新築分譲マンションの平均価格は1億6,493万円(前年同月比63.7%増)で、統計開始以来の最高値を更新しました。東京23区に限ると平均2億6,520万円です。

  • 上半期(1〜6月)ベースでも平均1億135万円(前年同期比13.1%増)と初めて1億円を超えており、7月の数値はその延長線上にあります
  • 押し上げの中心は、港区など都心部の大型・高額物件の供給。平均価格は「売れた物件の平均」なので、全員が1億円台を払っているわけではありませんが、新築の水準感が一段上がったこと自体は確かです
  • 供給戸数は2026年上半期で7,989戸(前年同期比0.8%減)。戸数は横ばいのまま、1戸あたりの価格だけが上がっている構造です

【2】中古 — 26か月ぶりに下落へ転じる

一方、中古です。東京カンテイ(7月23日発表)によると、2026年6月の東京23区の中古マンション平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は1億2,741万円で、前月比0.8%下落・2024年5月以来26か月ぶりの下落となりました。

  • 前年同月比では依然23.3%上昇。水準そのものは高く、単月・小幅の下落です。暴落の話ではなく、「調整の入り口」の話と読むのが正確です
  • 注目は内訳です。下落を主導したのは都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で、直近3か月以内に値下げした物件の割合は50.9%。売り主の半分超が「当初の希望価格では売れない」と判断したことになります
  • 2026年6月には23区の売り出し在庫が初めて5,000戸を突破。売れ残りの積み上がりが、売り主の価格判断を現実に引き戻しています
  • 一方、城南・城西6区(+1.1%)や城北・城東11区(+0.5%)は上昇継続。都心の高額帯から調整が始まり、周辺は続いている — という形です

【3】なぜ逆方向に動くのか — 2つの市場の構造の違い

背景には、9月の政策金利引き上げ(1.25%程度・約31年ぶり高水準を更新。9/25の解説記事で整理しました)以降、変動金利が上昇局面に入っていることがあります。借りられる額が細り、買い手の「購買可能額」が頭打ちになっています。

この局面で、新築と中古では値段の決まり方の構造が違うのです。

値段を決める仕組み今回の反応
新築建築コスト+土地仕入れ+利益で設定。完成在庫を安売りしにくい戸数絞り込みで高値を維持(平均が跳ねる)
中古売り主の「希望価格」から始まり、反応を見て調整在庫5,000戸超えで希望価格が折れ始める(反落)

つまり新築は「作る側の事情で下げにくく」、中古は「売る側の判断で即座に調整できる」。だから市況の変化が、中古の希望価格に最初に表れるのです。

【4】宗像・福津・古賀のみなさんへの読み替え

この市況は、東京の値段がそのまま届く話ではありません。ただ、判断の型としては同じ局面に入りつつあります。

売る側 —「値下げが当たり前」の局面では、売り出し価格の設定が命

在庫が積み上がった市場では、「とりあえず高めに出して様子を見る」やり方が通用しにくくなります。売れ残りは記録として残り、次の買い手候補に「売れない物件」の印象を与えます。重要なのは、査定の数字が誰の判断で、何を根拠に出しているのかを見ることです。この話は先週の記事で書いたとおりです。

→ 参考: オーバーローンにならない予算の決め方 — 先に物件を見ると失敗する4つの理由

買う側 —「上がる前提」の資金計画をやめる

中古の希望価格が動き始めた局面は、逆に言えば、売れ残りの中から条件の良い物件を落ち着いて選べる可能性が出てくる局面です。ただし金利上昇局面では、月々の返済が同じに見えても総額が膨らみます。「いま買わないと上がるから」という理由だけの判断は、いちばん危険な資金計画です。予算を先に決め、その中で選ぶ — 順番は市況がどう動いても同じです。

当研究所は、取引ごとに買主・売主のどちらか一方だけを担う片手仲介を行っています。売り手には売り手の、買い手には買い手の数字に正面から向き合います。

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売り出し価格の判断も、買い時の資金計画も、決める前の整理が一番効きます。LINEからお気軽にご相談ください。


まとめ

  • 新築: 平均1億6,493万円(7月・過去最高更新)— 戸数は絞り、1戸あたりの価格が上がる構造
  • 中古: 23区で26か月ぶりの反落(6月・−0.8%)— 都心6区の値下げ物件が半数超・在庫5,000戸超えが背景
  • 構造: 新築は「作る側の価格」で下げにくく、中古は「売る側の判断」で即調整される。市況の変化は中古に最初に出る
  • 買う・売るどちらも、「上がる前提」「高めの査定」を前提にしないことが、この局面での基本です

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マンションの売却・購入のいずれも、決める前の情報整理からお手伝いします。FPの視点での資金計画も含めて、ご相談はLINEからお気軽にどうぞ。

※本記事は公開時点の公表データに基づく一般的な情報提供です。市況の見通しを保証するものではなく、個別の物件・取引の判断ではありません。


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