【緊急】日銀1.25%利上げ直前——「50年住宅ローン」の3つの罠と今すぐやるべき対策

画像はイメージです

川内です。

日銀が9月17・18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度へ引き上げる方針を固めたという報道が出ています。片山さつき財務大臣の会見でも政府・日銀の足並みが揃ったことが確認され、住宅ローン市場に大きな緊張感が走っています。

今回は「50年住宅ローン」に潜む3つの罠を、FPの視点から解説します。

目次

そもそも何が起きているのか

日本銀行の植田総裁は9月1日、G20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「次回会合を含め、毎回の会合で議論していきたい」と述べ、1.25%程度への利上げ案が軸になっていることを表明しました。

これまでの「0.25%ずつじわじわ上がる」という想定から、利上げのスピードが加速しています。住宅ローンの変動金利のベースとなる「短期プライムレート(短プラ)」への上昇圧力が一気に強まる局面です。

「超低金利・当分は上がらない」という前提は完全に崩れました。

なぜ今「50年ローン」を選ぶ人が増えているのか

新築マンションも戸建て住宅も価格が高騰しており、従来の「35年ローン」では毎月の返済額が15〜18万円と高額になってしまいます。

そこで不動産会社から提案されるのが「50年ローン」です。返済期間を50年に伸ばすことで、毎月の引き落とし額を「月々10万円」などの見かけ上安い金額に抑えられます。「これなら買える!」と飛びつく人が急増しています。

しかし金利が想定以上のスピードで上がっていく局面では、3つの致命的なリスクを抱えることになります。

50年ローンが抱える3つの罠

罠① 借金の元本が驚くほど減らない

50年という超長期でローンを組むと、最初の10〜15年間は支払っているお金のほとんどが「利息」に消えてしまいます。毎月真面目に返し続けても、借金そのものは驚くほど減っていません。

罠② 金利引き上げの「連鎖ダメージ」をダイレクトに受ける

返済期間が長くなればなるほど、金利上昇による影響は雪だるま式に大きくなります。金利が「0.5%〜1.0%」と段階的に上がっていった場合、35年ローンと比べて50年ローンの方が、将来払うことになる総利息額の増え幅が数百万円〜千万円単位で跳ね上がります。

罠③ 「含み損」で家を売りたくても売れなくなる

50年ローンは元本が減るスピードが非常に遅いため、10年経っても多額のローンが残ります。もし将来、金利上昇による不動産価格の調整が起きた場合、「家の価値は2,800万円なのに、借金は4,000万円残っている」という事態になります。

この差額は自分の手持ち現金から出さない限り家を売ることができません。「転勤や生活の変化があっても売ることも逃げることもできない」という二重苦に陥ってしまいます。

50年ローン 3つの罠

金利上昇シミュレーション(5,000万円・50年ローンの場合)

時期金利毎月の支払い前期比
当初(1〜3年目)0.8%約10.1万円
中期(4〜7年目)2.0%約13.0万円+約2.9万円
後半(8年目〜)3.5%約17.0万円+約6.9万円
当初「月10.1万円なら払える」と思ってスタートしても、利上げが進むにつれて毎月の負担は約1.7倍に急増します。
利上げシュミレーション

今すぐやるべき3つの対策

  1. 「毎月の返済額」だけでなく「10年後のローン残高」を確認する
    10年返済した時点で、借金が何割残っているかを必ず試算しましょう。
  2. 「金利が1%・2%上がった場合の生活費」を試算しておく
    金利上昇時に毎月の返済が増えても、家計が破綻しないか事前のストレスチェックが必要です。
  3. 資産価値の落ちにくい「立地」を厳選する
    万が一の際に売却してローンを完済できるよう、駅徒歩分や周辺の需要など「売りやすい・貸しやすい物件」を選ぶことが最大の防御策になります。
利上げ対策

プロの本音

「不動産屋さんが大丈夫と言っていたから」「みんな組んでいるから」という理由で流されるのは非常に危険です。

表向きの「表面金利」や「月々の安さ」に惑わされず、10年後・20年後のシミュレーションを冷静に行っておきましょう。9月17・18日の決定会合の結果がどうなるかを待つだけでなく、今から備えることが大切です。

住宅ローンの見直し・資金計画の相談はLINEからどうぞ。

執筆者:川内秀敏(宅地建物取引士・FP2級・業界歴25年以上)/福岡住研究所(FUSUMALAB)

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次